今日は死ぬほど前置きが長いのですが、これ語らないことには発音の話はできないので読んでみてください。うるせーなにやったかだけ教えろ!という場合はスクロール↓↓↓
発音の勉強を始めるキッカケ
わたしは昔から英語を習っていて、英語が得意でした。さらにカラオケやモノマネもどちからといえば得意な方だし、音感はある方だと思っていて。だからこそ、留学したら三ヶ月ぐらいでネイティブみたいにペラペラになれると思っていました。
21歳。留学に来て一ヶ月目。ワーホリからワークビザへ切り替えてNZにもう2年滞在しているという日本人男に出会いました。見た目がチャラかったのでチャラさんとする。日本語を勉強しているkiwiとルームシェアしていて、いつも外国人とつるんでいる様子。たしかにチャラさんは英語が上手でした。しかし、カタカナ発音でした。
3ヶ月でペラペラになれると勘違いしていた私は、チャラさんを見てこう思いました。
「2年もいるくせにこんな下手な発音。こんな風にはなりたくない。」
わたしはチャラさんを軽蔑し、反面教師にすることに。単語や文法に関しては死ぬほど勉強したと思います。でも発音は・・・毎日毎日ネイティブの発音聞いてるしこの人たちの真似して同じように話してるつもりだから上手になってるはずだ。そう考えて特に自分では何もしていませんでした。
何ヶ月かたって。中華料理屋でみんなでご飯を食べていたのですが。その様子を友達がわたしのデジカメで録画していたんですね。
その動画を見ると・・・
ねこん「ウェナイワズ ア ジュニアハイスクウルスチュウデント、アイビロングドトゥーザスポーツクラブ」(When I was a junior high school student, I belonged to the sports club.)
と言っていたんですね。すっごいカタカナだったんです。なんならチャラさんより全然カタカナ。
その動画をすぐ消去して、記憶から抹消しようとしました。嘘だ、わたしは外人っぽく喋れてるはずだもん。わたしは発音他の人よりいいはずだもん、わたしは・・・
その次の週の放課後、kiwiの先生・わたし・友達の3人で夕方のオープンテラスでお酒を飲みに行きました。
友達はBeginnerクラス。「Yes, No, Thank you」しか言えない日本人。ユキちゃんとしよう。
わたし「Honestly I want to go up to the upper Intermediate class. Intermediate is so boring. I want to learn in higher and stricter environment. 」
(正直、上のクラスに移りたいと思ってるんだよね。今のクラスつまんない。もっとレベル高くて厳しい環境で学びたい)
↑
留学数ヶ月目の人にありがちな、無駄に自信ついちゃってる状態
Kiwi「I think you should stay in the current class」
(まだ今のクラスにいた方が良いように思うけど)
わたし「でも、、」
Kiwi「Listen, 君は自分が英語ができると思ってるのかもしれないけど全然まだまだだよ。まず発音が悪すぎる。
君がI don't knowと言うとき君のknowはknoまでしか言ってない。ついでに言うとnも間違ってるし。nは鼻から抜ける音だからね。先生の僕なら分かるけどネイティブには絶対聞き返される。」
わたし「But when I practice...」
Kiwi「そのプラクティスのraも間違ってる。それでは通じない。
いい?ねこん。君は発音が悪い。
うちの学校のどの生徒よりも悪い。
君は単語や文法はよく知っているし、誰よりも努力しているのはよくわかる。
でも発音はすごく下手だ。
ユキは英語が全然話せない。ユキはもっと単語を覚えた方が良い。でも発音は凄く良い。もう一人、ビギナークラスにカズヤという男がいるだろう?彼はbe動詞が何かも分かっていない。でも発音が凄く良い。多分元々の声が良い。
君の場合、日本語で話している時の声を聞いていると最も英語を話すのに適していない声帯のような気がする。」
ねこん「」
ちなみに、この先生とは結構仲よくてよく二人で飲みに行ったり遊びに行ったりしていて(それって学校的にはOKなのか?笑)、結構なんでも言い合える関係だったからこそこれだけ正直に言ってくれたんだと思います。
だけどわたし、泣き出しちゃったんですよね。
めんどくさいことに。
Kiwi「ご、ごめん」
ユキ「ねこんちゃん、大丈夫??」
わたし「ううう
わたし、明日から発音の勉強はじめる!!!!」
Kiwi「難しいと思うよ。発音を独学で勉強するなんて・・
日本に帰ればラジオのDJになりたい人がいくような発音矯正塾があるからそういうのに行けば」
わたし「いや・・・、それまで待てないし、まずは自分でやってみる!!!」
わたしは完全に自分が見えていなかったんですね。チャラさんのことをバカにしていた自分を恥じました。
その後図書館に走って、Language の棚へ行って、発音の本を10冊くらい手に取りました。
全部パラパラと読んだ後、一番良さそうだと感じたのがこの本。
これ何冊かレベルがあるんだけど確か最初に借りたのはElementaryだったはず。この本を借りて、ipodに音声を入れて、放課後毎日図書館に訪れました。
1ページ目の発音記号からスタート。日本人がやるべき/やらなくてよいunitリストも掲載されているんだけど無視。
↑こういう感じで母国語別にリスト化されています
1から叩き直すぞ!とか思って気合い入れて全部やることにしたんです。この本には発音記号1つ1つに対して口の形をこうしてこうするんだよ、舌はこうだよ、とか書いてあってこうか?こうか?みたいな、試行錯誤しながら小さめの声で発声練習。
学校までの行き帰りのバス往復2時間と放課後2時間程度、今までの単語文法中心の勉強から180度変わって発音の勉強に切り替えました。
これって「英語で勉強する」ってやつですね。発音の勉強をしているはずなのにこれを始めてから速読などもできるようになりました。
この本を通じて分かったことは「今までわたしが発していた音はほとんどカタカナ発音だった」ということ。
例えばhは喉を開いて犬みたいに「ハッ」って言う発音なのにわたしは日本語の「はひふへほ」発音だったり、yは下の歯茎の方に下を持って行って顎を使ってする発音だったりっていうのを知らずに自己流発音してたってことです。
母音に関しては更に無知で、aの読み方が何種類もあることは知ってたけどどの音がどれなのか分からないから全部カタカナのaで発音していました。
発音記号も知らないし、読めないからずっと無視してた。だからわたしの中でalternativeは「アルタネイティブ」、ultimateは「ウルティメイト」でした。
発音記号を学んだあとで改めて単語と発音記号が並んだものを眺めると、今まで間違えて発音していた単語たちのオンパレードに気づきました。穴があったら入りたい気持ちだった。でも穴はないので入れない。今まで間違って発音していた単語の見直し作業も少しずつ始まっていきました。
そしてたどり着いたのが「各々の音の出し方は分かるけど口がついていかない状態」。
fやvも、単体なら言える。でも文章になるとたちまち言えなくなる。音読の練習が圧倒的に足りなかったわけです。英語の発音は筋トレと一緒だからね。
音読録音もしたかったのですが、先生のあまりにもきつい言葉に自分の英語に自信をすっかり無くしてしまって、ホストファミリーの家では音読ができなかった。聞かれるのが恥ずかしかったのです。今思えばバカなことですね。音読をホストファミリーに聞いてもらうぐらいの気合があっても良かったはず。
本格的に音読録音を始めたのは日本に戻ってから。
一人暮らしだったので簡単にできました。
この時点では自分の録音を聴いても「あんなにやったのに全然上手になってない・・」という感じでした。子音は上手くなった気がしましたが、まだ母音が全然ダメだったし、まだ音素のみ勉強した状態で、イントネーションや抑揚もまだまだだったんですね。音読を始めてから「繋がると消える音」「めっちゃ短くなる音」なども勉強しました。これもある程度は教科書に載っていました。
それから日本に帰ってからは日本語で書いてある発音の本を読み漁りました。あとYoutubeで「英語 発音」で出てきた動画をかたっぱしから見ました。そしたら、「そもそも発声の仕方が」「喉の状態が」と言っている人が出てきてまた振り出しに戻るような気持ちに。あ、発声方法も多分まだ日本語のままだ。喉で音を止めながら音を出してるわ〜、ということに気づく。気づいたけど直せない。今ではマシになった気がするのですが、この感覚を掴むのに何年もかかっています。
てなわけで、留学が終わってからは色々な人が言う色々な情報をこれでもか!というほど集めて全部実践してみた感じで今に至ります。
こんな風に発音の本は色々な人のものを読むのが良いと思います。なぜなら、音の出し方の説明は人によって違うので、様々な人のやり方を知ることでそのどれかを取り入れたり組み合わせたりすると答えが見えてくるからです。行き詰まるたびに本屋に行って「なんか新しい情報どっかに転がってねーかなー・・」的な。ちなみに全部立ち読み笑
発音って面白くて鍛錬を続けることによって上手くなる部分と、知ってる知らないの違いで一気に改善する情報戦的な部分とあるような気がしていて。
例えばわたしが本ブログで紹介してるEnglish pronounciation in use(Intermediate)には
「couldはネイティブはcumって発音してるよ」とか
「ネイティブは早く喋るときアクセント以外は全部シュワルツになるよ」←これ知ってました?結構目から鱗だったのですが・・
「子音が2個繋がると一個目は発音しなくていいよ」
とか書いてあります。
それまじで最初から教えてくれてたらもっと早く発音良くなってたやーん
的なやつですね。
これIntermediate。わたしが買ったときはCDだったのにダウンロード音源になってる。絶対こっちの方が便利だと思います。しかもCD無い分多分安くなってる。
・・というように、発音記号の勉強が終わったらあとはTipsみたいなもののかき集め(情報収集)+音読(実践)だと思うんですよね。わたしが紹介した本には発音記号以外にも色々な情報が載っているのである程度の知識は得られると思います。でも100%をカバーしているわけではなさそうなのであとは他の教材やYoutubeで補填をしていくという感じですね。それは色々な本やYoutube動画などに転がっています。ついでに言うとこの補填作業はおそらく生涯続いていくのではないかと思います。
最近はネイティブの話す英語を聞いて「あ、Markってマークじゃなくてマヲクに近いかな」とか音声を聞くだけでより良い発音に気づけることも増えてきました。でもこれできるようになったのは結構最近。それまでは「確実に自分の発音とは違うのになにを直せば良いのか分からない・・」って感じでした。
本当に、子供ができる前は本屋に行けば一番最初に行くのは発音のコーナーでひたすら立ち読みしてましたよ。家に帰ったらひたすら音読録音をしていました。
いつしか家族に聞かれるのは全く恥ずかしくなくなりました。両親や旦那は「こいついつも音読してんな〜」って思ってると思うが。ちなみに独身の時は風呂でも音読してました。エコーになって上手く聞こえてオススメ。風邪引いたときも鼻声の時はなぜか発音が上手く聞こえるので風邪引いた時もオススメ。治りは悪くなりますが。
音読の具体的なやり方としては、
1. まずスクリプトを用意して一回読んでみる。ここは繋がるよねーとかいうところにペンを入れながら。
2. 上手く発音できない単語は間違えてる可能性があるので調べる。
3. モデル音声があれば聞く。「あれ?なんか自分の思っていたのと違う」と思うところがあれば直す点を分析した後そこだけ練習する
4. だいたい上手く話せてるっぽい!と思ったら録音する
5. 録音を聴くと大抵「うわぁ。。。」ってなるので、どこが変なのか分析→4に戻る
こんな感じでしょうか?また別の記事でシェアしますわ。長くなりそうなんで。
またわたしのやっている音読の方法が正しいかは全く持って分からないし、自分の気持ちの良いやり方を見つけて行くのが一番良いと思われます。
あと最近になって初めて「発音セミナー」というものに参加しました。同じように発音を勉強された方から日本語で理論的に発音を学んで矯正してもらうのは発音学習においてはとんでもなく劇的なショートカットだと思います。もっと早く参加すればよかったーと思ったのはいうまでもない。わたしも一度だけ発音教えてくださいと頼まれて有料でTOEIC対策+発音はアドバイス程度で社会人を教えていたことがあったのですが、かなりすごいスピードで成長していったことを覚えています。3,4ヶ月でリスニング100点ぐらい上がってました(もちろんわたしが教えただけで上がったというわけではなく本人の努力もある)。
ではまとめ
まとめ
発音の勉強でやったこと
1. 発音記号で一つ一つの音をお勉強
2. 実践(音読録音&ネイティブと会話)
Q&A
音読録音したの聞くと死にたくなるんですが?
わたしも何百回となってます。「やっぱりわたしは英語の発声に向いていないんだorz」と落ち込み、歯並びのせいだとか喉のせいだとか先天的なもののせいにしようとしたことも何度もあります。でも多分先天的に向いてる向いてないとかはそんなにない。仮にわたしが先生に言われたように「もっとも英語に適していない声帯」だったとしよう。でも努力でだいぶ改善されているからね!
音読すると口が疲れるんですけど
多分それで良いと思います。いつもは使わない口周りや舌の筋肉を使うから疲れるのであって、疲れるということは英語を使うための場所が鍛えられている途中ということだと思います。わたしが、「音読は筋トレに非常に似ている」と感じるのはそのため。どんどん疲れるんだー!
音素の勉強をするよりネイティブの音声を聞いたままそのまま発声した方が良いのでは?
多分それって元々センスある人ができる技であって、わたしはできなかったんですよね。
テニス🎾はじめたばかりの人に「見本見てそのまま同じように打って」って言ったって出来ないのに似てるのかなぁと思います。多分センスある人とか小さいときにやってたとかじゃないと。元々の発声が良くて英語を使うための口周りや舌の状態がすでに出来上がってる人なら聞いただけで再現できそうだけど・・。だからわたしは理論から入りました。これが言語を覚える途中の子供ならどういうわけか理論なしに耳から入った音をそのまま発することができるみたいですね。どういう理由か知らないけど。まあ子供にとっては日本語だって最初から発音完璧で流暢なわけじゃなくてトライアンドエラーを繰り返して正しい発音になっていくので、初めて聞いた言語をその瞬間に完コピしているわけでは無いと思いますがね。
最後に
これは「もっとも英語を話すのに適していない声帯」と言われた、つまり日本人の中で底辺にいたわたしが、本当に0から積み重ねてきた勉強法ですのでおそらく多くの皆さんにとっては参考にならないでしょう。みんな確実にスタートの時点で昔の私より上手だからね。
最近TwitterでKazusaさんという方が「音読をUPしてみよう!」というムーブメントを起こしてくださって、他の英語勉強中の方の音読を聞く機会が増えたのですが、みんなすごい上手いもん。若い子とか特にみんな外人じゃん?!って感じ。純粋にすごいと思う。
発音を勉強する前はチャラさんの発音にケチをつけていたくせに、エライ違い。そうそう、自分ができなかった時の方が他人に厳しかったわけ。Twitterとかによくいる「できもしないくせに他人をディスる」典型的な超嫌なヤツですよね。でも自分がヤバかったときの発音を知ってるからこそ、今となっては周りの人が本当にすごいと思える。ほんと、違う人のようですよねw
音読をUPしてるすごい人たちが元々センスがあるのか、小さい頃から英語に触れていて感覚をすでに掴んじゃってるのか(わたしが子供の英語教育を重要視しているのはそのため→参考記事)わたしみたいに血なまぐさい努力を続けてきた人なのかは分かりませんがね。
てなわけで。自分の思いばかり先走ってしまいまとまりのない文章となってしまいましたが、少しでも皆様の役に立てたらと思います!ただわたしも自分の発音に対してはまだ「なんか日本人の女がモゴモゴ言ってる」という評価なので偉そうに発音に関する記事など書いていいのかとは思ったのですが、音読を聞いてくれた何人かの方から「どのように勉強したか」を聞いていただけたのでこの度記事にさせてもらいました。
では!